相続税の申告は自分でできるか?できそうな5つのケースを紹介

相続税は、亡くなってから10ヶ月以内に申告書を提出し、納付しなければなりません。

しかし相続税の申告を税理士にお願いすると、安くてもウン十万円の報酬がかかります。

ウチは簡単そうだしなんとか自分でできないかしら?

と思われる方もいらっしゃるでしょう。

相続税の申告でも難易度が低いものであれば、決して自分でできないことはないと思います。

目次

これならば自分でできるかも!相続税申告の難易度が低い5つのケース

自分でできてリスクも少ない相続税申告のパターン5つを紹介します。

1.財産が預貯金や上場株式など評価が簡単なものだけ

財産の評価が簡単なものであれば、自分で申告するのも難しくはないでしょう。

例えば預貯金であれば、金融機関で亡くなった日の残高証明書をもらい、その金額を申告書に記載すればOKです。

上場株式であれば、証券会社で亡くなった日の残高証明書と<参考資料>をもらい、株数に<参考資料>のうち一番低い株価をかけて計算します。

2.家族間でお金のやり取りを頻繁にしていない・家族名義だが実質亡くなった人のものである財産がない

  • 家族間で頻繁にお金のやり取りをしている場合
  • 家族名義になっているが実質亡くなった人のものである財産がある場合

これらの場合、贈与や名義預金といった問題が出てくる可能性があるため、税理士にお願いしたほうが賢明です。

3.不動産は自宅だけで土地の形がきれいな正方形か長方形

相続税の申告で一番難しいのは土地の評価です。

自宅の評価であれば難易度は低いですが、人に貸したりしているものは難易度が上がります。

また、土地がきれいな正方形か長方形で公道に面しているのであれば、土地の面積に路線価をかけるだけで土地の評価額が出るので簡単です。

土地の形がいびつな場合には減額ができるため、税理士にまかせたほうが報酬がかかってもそれ以上に税額が安くなることがあります。

4.小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などを使って相続税がゼロになる

小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使って相続税がゼロになるようであれば、自分で挑戦しやすいでしょう。

5.遺言書があるor揉めていない

遺言書があれば、遺言書どおりに財産を分けるのでスムーズに手続きができます。

遺言書がなければ相続人の話し合いで財産を分けますが、相続人同士が揉めている場合は時間も手間もかかるので第三者を入れたほうがいいでしょう。

自分で申告する場合の手順

自分で申告する場合の手順は次のとおりです。

慣れない作業のうえ10ヶ月という期限があるため、早め早めに動いていきましょう。

1.税務署で申告書を手に入れる

まずは税務署で相続税の申告書を手に入れましょう。

国税庁ホームページからプリントアウトしてもOKです。

また、記載例も併せて確認しましょう。

2.必要資料を集める

次に申告に必要な資料を集めましょう。

いろんな書類が必要なため、この段階で早くもギブアップする人が多いです。

主に次のような書類を集めます。

相続税申告で集める主な書類

  • 亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書(遺言書がない場合)
  • 預貯金や上場株式、投資信託などの残高証明書
  • 不動産全部事項証明書(登記簿謄本)、公図、地積測量図
  • 固定資産評価証明書 など

また、

  • 生命保険金を受け取った時の通知書
  • 亡くなった後に支払った、亡くなった人の医療費や税金、社会保険料などの領収書
  • 葬儀費用の領収書(領収書が出ないものはメモ書きでOK) など

は、申告で使うので必ず取っておくようにしましょう。

3.財産の評価をする

資料がそろったら、財産の評価をします。

主な財産の評価方法は、国税庁ホームページの相続税のあらましに載っています。

また、素人さん向けの相続税申告の書籍もいくつか出ていますので、そちらも参考にすると良いでしょう。

4.遺産分割協議書を作る

遺言書がなければ、相続人全員でどの財産を誰が相続するかを決めましょう。

これを遺産分割協議といいます。

分け方が決まったら遺産分割協議書を作り、相続人の実印を押します。

5.申告書を書いて提出、納税

財産の評価が終わり分け方が決まったら、申告書を書きます。

亡くなった日から10ヶ月以内に申告書を提出し、納税を済ませます。

税務署へは申告書だけでなく、上記で集めた書類や遺言書or遺産分割協議書も一緒に提出します。

申告書の提出先は、亡くなった人の住所を管轄する税務署になります。

わからなければ税務署に聞いてみよう。質問はピンポイントにまとめること

財産の評価や申告書の書き方がわからなければ、税務署に聞くことができます。

相談方法は、

  • 電話相談
  • 予約した上で面会して相談

の2種類があります。

ただし、「イチから教えてほしい」と質問しても「税理士さんにお願いしてください」と返されるのがオチです。

まずは自分でできるところまでやってみて、わからないところをまとめて質問するようにしましょう。

やっぱり税理士にお願いするのであれば早めに依頼しよう

「やっぱり自分ではムリだ!!」とあきらめて税理士にお願いするのであれば、早めに依頼しましょう。

ギリギリの依頼(申告期限から3ヶ月以内がメド)になってしまうと、加算料金をいただくケースがほとんどです。

せっかくここまで頑張ったのに、かえって高くついてしまうようではもったいないです。

簡単な内容の申告とはいえ、慣れない手続きをその都度調べるのは大変です。

しかも官公庁は土日休みのため、平日に休みが取れない人は苦労するかもしれません。

気づいたら申告期限を過ぎていたということにならないよう、段取りよく進めていきましょう。

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