消費税の納税資金が足りずに困ることがあります。
なぜ消費税の納税に困ってしまうのか、どうしたらムリなく納めることができるのかをお話いたします。
消費税の納税に困る理由
消費税の納税に困る理由は2つ挙げられます。
1.お客さまから預かった消費税を運転資金として使ってしまう
お客さまからお預かりした消費税はすぐに税務署に納めるわけではなく、年に1回~最大12回に分けて納めます。
お預り~納税までの間、預かった消費税は事業主や会社のてもとにあります。
てもとにあるお金は使ってしまうのが人間というもの、つい運転資金に充ててしまいます。
そうすると消費税の納税の段階で「そんなお金ない!」ということになってしまうのです。
2.消費税は赤字でも払わなければならない
事業が赤字だと、納税は均等割りだけだと思ってしまい、うっかり消費税の存在を忘れてしまうかもしれません。
しかし消費税は赤字であってもかかります。
例えば、
【売上】3,000万円
【仕入】2,000万円
【人件費】1,500万円
であれば、事業全体では3,000万円-(2,000万円+1,500万円)=△500万円の赤字になります。
しかし消費税の計算では、人件費は消費税がかからない取引であるため、消費税上の経費として引くことはできません。
したがって、3,000万円-2,000万円=1,000万円←この10%の100万円を消費税として納税する必要があります。
赤字だから税金は出ないと思って油断していると、思わぬ消費税の金額にびっくりします。
消費税の納税資金はあらかじめ貯めておこう
消費税の納税資金はうっかり使ってしまわないよう、消費税納税用の口座を作り、あらかじめ貯めておくことをおススメします。
積立額は、とりあえず去年の納税額を12で割った金額を毎月積み立てておくのが簡単な方法です。
去年の納税額が120万円であれば、12か月で割った10万円を月々貯めておきます。
去年よりも売上が増えそうであれば積み増しましょう。
今年から初めて消費税の納税が出るのであれば、積立額を決めるため専門家にある程度の税額を見積もってもらうのもおススメです。
まとめ
- 消費税は「預かった消費税を運転資金に使ってしまう」「赤字でも納税がある」という理由から、納税資金がなくて困ることがある。
- 消費税の納税資金は専用の口座にあらかじめ貯めておこう。
2023年10月からはインボイス制度がはじまり、消費税の納税義務者が一気に増えるでしょう。
それと同時に消費税の納税資金に困る人も続出することが考えられます。
消費税額の見積もりと積み立てを強くおススメします。