「相続対策」は対策すべき人→親、実際に影響を受ける人→子。親に危機感を持たせるのが難しい

相続対策は相続税がかかる家族だけでなく、相続税がかからなくとも揉めそうな要因がある家族でも必要です。

しかし相続対策を講じる人は多くありません。

相続の現場で「生前に何かしておけばよかったのに」ということもあります。

目次

相続対策は「対策する人」と「実際に影響を受ける人」が違うから実行が難しい

相続対策をしたいのであれば、親が70代前半くらいまでに行いましょう。

それ以降になると認知症リスクが高くなるからです。

認知症で判断能力がなくなってしまうと

  • 遺言を書く
  • 贈与をする
  • 売買をする
  • 家族信託契約をする
  • 賃貸借契約をする

などの法律行為が一切行えなくなります。

しかし相続対策を行う家族は多くなく、たとえ相談にいらしても実行には至らないこともあります(相談にいらっしゃるのは当事者の配偶者やお子さん)。

その大きな要因の1つが

  • 対策をすべきは親
  • 対策をしなかったことで実際に影響をうけるのは親ではなく子

であり、いくら子が危機感を持っていても、親は「自分は死ねば終わりだから何も困らない」ので動いてくれないためです。

親としては、自分が死んだ後のことを考えるなんて気が向かないでしょう。

子はこのまま親が亡くなったらどれだけ自分が困るか、なんとか生前のうちに動くよう親を説得するしかありません。

年を取りすぎてしまうと相続税対策の幅が狭まる

80歳後半~90歳になった親が、ようやく相続対策が他人事ではないと気づくことがあります。

しかし相続税がかかる場合、親が年を取りすぎてしまうと、たとえ認知症を患っていなくても相続税対策の幅が狭まります。

例えば、先日最高裁で、90歳を過ぎた親が多額の借金をしてタワーマンションを買うことで相続財産を減らし、相続税ゼロで申告した事案で国と納税者が争ったところ、過度な相続税対策として納税者が負けました。

他にも、相続税の節税対策として生命保険に入ることがありますが、今ある保険商品で入れるのは最高で90歳までです。

また、コツコツと数年にわたって親→子へ贈与するのも効果的ですが、これも親が高齢になってからではそれほど贈与できません。

しかも贈与して3年以内に親が亡くなれば、もらった分は相続財産に足し戻されるため、相続税の節税にはつながらないことになります。

会社を作って貸家を親→会社へ売却し、家賃が親ではなく会社にたまるようにする「法人成り」の手法もありますが、こちらも効果が出るにはある程度の期間が必要です。

このように高齢になってからあわてて相続税対策をしようとしても、できる対策はぐっと狭まってしまいます。

まとめ

相続対策が必要なのは親ですが、対策がなされずに困るのは子であるため、親の重い腰が動かないことがあります。

認知症などになってからでは遅いので、なんとか親を説得して早めに動いてもらうよう働きかけましょう。

また、特に相続税の対策をしたいという場合、高齢になってから駆け込みで対策しようとしてもその手段は狭まります。

遅くとも70歳前半には着手できるのが理想です。

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