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高齢者の相続対策 年間110万円を超える生前贈与の検討

 
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本間会津子
福島県会津生まれ、東京都練馬区育ちの税理士 本間会津子です。 同じことを何度聞いていただいても大丈夫、笑顔でお答えします。          ★お願い★ 当ブログはわかりやすくお伝えすることを目指しております。実際は細かい要件等がございます。最終判断は専門家にご相談ください。
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相続対策の生前贈与と言えば年間110万円の贈与税がかからない範囲で行うのが一番お得、とお考えかもしれません。

しかし、贈与税を払ってでも110万円を超えて生前贈与をしたほうがいい場合もあります。

今回はご高齢の方がこれから生前贈与で相続税対策を行う場合をご紹介いたします。

 

下記のご家族の例を取り上げていきます。

生前贈与は子2人に対して80歳から5年間にわたり毎年行い、お母さんは87歳でお亡くなりになると仮定します。

生前贈与を行わずにお母さんがお亡くなりになった場合の相続税額は770万円になります。

1人につき年間110万円の贈与では165万円の節税

贈与を受ける人1人につき年間110万円までの贈与は非課税になります。

110万円×2人×5年間=1,100万円を無税でお子さんに渡すことができました。

相続税がかかる遺産は、1億円ー1,100万円=8,900万円。

相続税額を計算すると605万円、生前贈与をしない場合の相続税額に比べ165万円安くなりました。

 

1人につき年間300万円の贈与では260万円の節税

年間300万円の贈与の場合、生前にお子さんに渡すことができる財産は、300万円×2人×5年間=3,000万円になります。

年間300万円の贈与の場合、贈与税が19万円かかるため、5年間で19万円×2人×5年間=190万円の贈与税の負担があります。

 

下表の87歳の赤い枠をご覧ください。

相続税がかかる遺産は、1億円ー3,000万円=7,000万円。

相続税額を計算すると320万円。

相続税と贈与税の合計は510万円、生前贈与をしない場合の相続税額に比べ260万円安くなりました。

したがって、贈与税が非課税となる年間110万円より、贈与税を払ってでも年間300万円の贈与を行ったほうが相続税・贈与税の合計額が安くなることがわかります。

【表1】

 

毎年いくらの贈与にするか決める方法は?

では、どのようにして毎年の贈与額を決めればいいでしょうか?

生前贈与をしない場合、1億円の遺産に対し、770万円の相続税が発生します。

770万円÷1億円=7.7% すなわち、1億円の遺産に対し7.7%の相続税が課せられるということになります。

 

下表は贈与税について、いくら贈与すると何%の贈与税が課せられるか(これを実効税率といいます)を表したものです。

この表で、実効税率が7.7%を下る贈与金額であれば、相続税を払うよりも生前贈与を行って贈与税を払ったほうが税額が安くなるラインになります。

【表2】

赤い枠をご覧ください。贈与金額300万円の実効税率は6.33%であり、相続税の実効税率よりも低くなります。

このようにしていくら贈与したらいいかを検討します。

 

亡くなる日前3年以内に行われた生前贈与はなかったことに

その贈与をした人が亡くなった場合、亡くなる前3年以内に贈与によりもらった財産についてはその贈与はなかったこととされ、相続財産に加算されて相続税が計算されます。

【表1】の青い枠をご覧ください。

もし80歳の誕生日に行った贈与については、82歳までにお亡くなりになったときは相続財産に足し戻されてしまうため、せっかく生前贈与をしても相続税の節税効果はなく、83歳になったところで効果が表れます。

80歳から84歳までの5年間に生前贈与を行い、そのすべての生前贈与につき税金のメリットを得るためには、お母さんは87歳まで生きなきゃ!ということになります。

すでに納税した贈与税については、相続税の計算をする際に相続税額から控除されるため、二重課税にはなりません。

 

3年以内加算ルールが適用される人

3年以内の加算ルールが適用されるのは、亡くなった人から生前贈与を受けた人すべてではありません。

相続または遺贈により財産を取得した人、つまり相続人や遺言により遺産をもらった人などが対象になります。

 

これ以外の人については、亡くなった人から亡くなる前3年以内に贈与を受けても3年以内加算ルールは適用されません。

したがって、例えばお孫さんや子どもの配偶者、身内ではないお世話になった人などへの贈与は、すぐに・確実に相続税の節税効果が表れます。

ただし、一定の場合はお孫さんにつき3年以内加算ルールの対象になることがありますので注意が必要です。

相続人の記事はこちら↓

孫に3年以内加算ルールが適用される場合の記事はこちら↓

 

まとめ

生前贈与はできるだけ早めに行えばそれだけ効果が高くなります。

しかしご高齢の方や健康に不安のある方が今から生前贈与を、という場合には毎年110万円の贈与よりも贈与税を負担してでも多く財産を移した方が節税につながる場合があります。

しかも認知症になった場合は贈与をすることができなくなります。

専門家への相談のもと、早めに対策を検討されることをお勧めいたします。

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