会社員からフリーランスへ。1年目、2年目の住民税の納付時期はどうなる?

会社員から晴れてあこがれのフリーランスへ!

やりたい仕事ができる喜びでいっぱいでしょう。

しかし喜んでばかりはいられません。

フリーランスになったからには、これまで会社がやってくれた税金の計算や納付も自分でしなければなりません。

この記事では、フリーランス1年目と2年目の住民税の納付時期についてお話いたします。

目次

住民税の税率は全国一律10%

住民税の税率は、全国一律10%です。

「高級住宅街のある世田谷区は高いのでは?」「田舎だと安いのでは?」というイメージがあるかもしれませんが、都会でも田舎でも住民税の税率は10%で変わりありません。

住民税の徴収方法

住民税の徴収方法は、会社員とフリーランスでは異なります。

  • 会社員:会社が給料から天引きして納付する特別徴収
  • フリーランス:6月・8月・10月・1月(自治体によって異なる)の年4回にわたって自分で納付する普通徴収

住民税の納付時期は?

住民税の納付時期はちょっとややこしいので注意が必要です。

例えば2022年6月より納付する住民税(2021年分の所得を基に計算)を例にお話いたします。

特別徴収の場合の納付時期

会社は2021年の年末(または2022年の年初)に各従業員の年末調整をし、2021年分の所得を計算します。

そして2022年1月31日までに源泉徴収票(正しくは給与支払報告書といいます)を各従業員が住んでいる自治体に送ります。

自治体は送られた源泉徴収票を基に各従業員の住民税を計算し、会社宛に毎年5~6月に納付書を送ります。

会社は2021年分の所得を基に計算された住民税を、2022年6月~2023年5月までの12回に分けて給与から天引きします。

普通徴収の場合の納付時期

フリーランスは2021年分の所得を2022年3月15日までに確定申告します。

所得税の確定申告書はお住まいの自治体に回されます。

自治体は回ってきた確定申告書を基に住民税を計算し、フリーランスあてに毎年6月ごろ納付書を送ります。

フリーランスは2021年分の所得を基に計算された住民税を、2022年6月・8月・10月・2023年1月の4回に分けて自分で納付します(一括納付でもOK)。

退職してフリーランスになった場合の納付時期は?

退職した場合の住民税の納付については、辞めた月により異なります。

1月1日~5月31日までに辞めた場合

給与天引き

1月1日~5月31日に辞めた場合、5月までに徴収すべき住民税は退職月の給料から一括して天引きされます。

もし退職月の給与から天引きしきれない場合は、普通徴収により自分で納付します。

例えば2021年3月に辞めた場合、3月の給与から徴収される住民税は、2019年分の所得を基に計算され2020年6月~2021年5月に徴収すべき分のうち2021年3月、4月、5月分になります。

フリーランス1年目

2020年分の所得を基に計算された住民税の納付書は、2021年6月ごろ郵送されます。

会社を辞めた後で会社員時代の給与にかかる住民税1年分が届くので、納付がキツイかもしれません。

フリーランス2年目

2021年分の所得を基に計算された住民税の納付書は、2022年6月ごろ郵送されます。

ここでは2021年1月~3月分の給料+フリーランスになった2021年4月~12月分の所得が住民税の計算対象になります。

6月1日~12月31日までに辞めた場合

給与天引き

6月1日~12月31日に辞めた場合、退職月分の住民税までは給与から天引きされ、退職月の翌月分以降の住民税は普通徴収になります。

※ 会社に申し出て翌年5月分までの住民税を一括天引きしてもらうこともできます。

例えば2021年10月に退職した場合の住民税の納付時期はというと・・・

この場合、2020年分の所得を基に計算され2021年6月~2022年5月までに給料から徴収すべき住民税のうち、2021年6月~10月までの5回分が退職までに納付済み、ということになります。

フリーランス1年目

残りの2021年11月~2022年5月に天引きする予定だった7回分の住民税は、退職後に納付書が届くので自分で納付します。

また2021年分の所得を基に計算された住民税の納付書は、2022年6月ごろ郵送されます。

ここでは2021年1月~10月分の給料+フリーランスになった2021年11月~12月分の所得が住民税の計算対象になります。

会社を辞めた後で会社員時代の給与にかかる住民税10ヶ月分が届くので、納付がキツイかもしれません。

フリーランス2年目

2022年分の所得を基に計算された住民税の納付書は、2023年6月ごろ郵送されます。

こちらはフリーランスになってからの所得のみが計算対象になります。

まとめ

住民税は納付時期にズレがあるため、会社を辞めた後に会社員時代の給与に対する住民税がドンっとかかります。

仕組みがなかなか複雑ではありますが、納付書が来てから慌てないよう、納税資金をとっておきましょう。

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