税理士として独立開業したものの、最初は軸がブレブレでした。
会計事務所を辞めたかった理由
そもそも会計事務所は転職を繰り返す人が多い
15年くらいの間に6か所の会計事務所を渡り歩いたあと、独立開業という形をとりました。
ずいぶん転職回数が多いように思えるかもしれませんが、この業界では珍しくありません。
会計事務所を渡り歩く人が多い理由としては、
- 税理士を目指す人はもともと独立志向が強いので帰属意識が薄い。
- 会計事務所は所長のカラーが強く、合う合わないが大きい(理不尽なブラックも多い)。
- 大企業のように福利厚生が整っていないのでずっといる魅力を感じない。
といったところでしょうか。
金融機関などと一緒に仕事をするのが合わなかった
私の中で一番合わなかったのは、金融機関や保険会社などからお客様を紹介してもらうタイプの事務所でした。
これらとタイアップしてセミナーや無料相談会、同行営業などを行うというものです。
金融機関や保険会社などと仲良くしていると、素性の知れたいわゆる「いいお客様」を紹介してもらえます。
しかしデメリットとして、紹介者の顔色を常に気にしなければなりません。
お客様のためにならない提案にもある程度お付き合いをしなければなりません。
そんなスタンスに嫌気がさしていました。
ひとり税理士という考え方に出会った
どんなに転職しても何かしら合わずまた辞めてしまう自分にも嫌気がさしていました。
そんなときにたまたま目にしたのがAmazonのおすすめ書籍で出てきた「ひとり税理士」というフレーズです。
さっそく本を買って読んでみたところ、
- 雇わない雇われないというスタンス
- ブログで自分の考えを発信して営業をする
という内容であり、非常に新鮮な考え方でした。
雇わなければ自分のペースで仕事を決めることができます。
自分に「何ができるか」「何ができないか」を発信することで自分に合うお客様と仕事ができるようになれば、これほどありがたいことはありません。
お客様のためにならない提案に付き合わされることもありません。
これだ!と思い、ひとりでやっていく決心をしました。
開業直後は軸がブレブレ!長年染みついた考えはそう簡単には変わらない
一番初めにやったことは士業向け金融機関への営業セミナー参加
いろんなしがらみから抜け出したいという思いからひとりになったものの、ひとりになった後は「早く安定してお金が入るようにしたい」という思いが先走ってしまいました。
何とかコンスタントにお客さんを紹介してくれる先がほしい!
そう考えると、今までの経験から「金融機関や保険会社と仲良くすればお客さんを紹介してもらえる」という考えに至り・・・
さっそく軸がブレました。
開業直後、一番初めにやったことは中小企業診断士が開催した30万円近くもする「士業向け金融機関への営業セミナー」への参加です。
金融機関への入り込み方、誰と仲良くすればいいか、どんなことをすれば金融機関が喜ぶかなど2日間の講義、半年間のアフターフォローもありという実践的な内容でした。
セミナーに参加したことで満足し、「さあ、頑張るぞ!」などと考えていました。
今考えると本当に浅はかです。
家に帰ってセミナーで習ったことを頭の中でシミュレーションしてみました。
しかし、金融機関へ入り込んで営業をする自分など想像もつきません。
考えてみれば金融機関や保険会社などとムリなお付き合いをしたくないからひとりになったわけだし、そもそもリアルにガンガン営業しようなどという性格ではありません。
冷静になって、やっと「これは私がしたかったことではない!!」と気づきました。
やっぱり原点回帰。ブログを書いて営業をすることにした
ブログを使って営業するひとり税理士に惹かれてひとりになったにもかかわらず、HPを立ち上げてブログを書き始めたのはかなり時間が経ってからです。
なぜやらなかったかというと、
- 顔を出したくない。
- ブログを定期的に書くのはめんどくさそうだし書くことがなさそう。
- 炎上したら怖い。
- ネットからのお客様は変な人が多いらしい。
という理由です。
しかしリアルな営業がムリと気づき、ようやくブログ営業をやってみようと思い立ちました。
ひとり税理士のブログをいくつも見てどのようなことを書いているのかを研究し、今に至ります。
軸がブレるのはしょうがない。やってみて少しずつ固まってくる。
初めに軸がブレるのはしょうがないと思います。
今思うと一番やりたくないことを手始めにやろうとしたのは浅はか(というか不思議)ですが、自分の軸が何かを考えるいいきっかけになりました。
ブログからは幸いお問い合わせが何件か来るようになりましたが、またブレて今度は1年半HPをクローズ(メンテナンスモード)することになります。
その話はいずれ書きたくなったら書きます。