税理士は全国に79,898人(2021年10月末現在)います。
そのうち女性は14%、さらに開業しているとなると相当数少ないでしょう。
開業している女性税理士は「レアキャラ」といったところでしょうか。
(トップの画像は日本税理士会連合会「やさしい税金教室」パンフレットより抜粋)
女性税理士は男性税理士に比べて本当に「優しくて親身」なのか?
「税理士」と聞くと、何やら堅そうなイメージがあるのではないでしょうか?
どうしても税理士に仕事をお願いせざるを得ないが、ハードルが高いと感じる人も多いと思われます。
男性税理士は何だか威圧的で怖そうなので、男性に比べて「優しくて親身になってくれそう」な女性の税理士にお願いしたいというニーズがあります。
では、実際に男性税理士は「威圧的で怖く」、女性税理士は「優しくて親身になってくれる」のかというと・・・
そんなことはありません。
男性税理士で物腰柔らかく気配りが上手な方はいっぱいいらっしゃいますし、逆に女性税理士でお客さまに怒鳴る方も2~3人見たことがあります。
要するに性差ではなくその人の性格なのかと。
最近では税理士を含む士業は先生業ではなく「サービス業」であると考える人が多く、(少なくともお客さまの前では)男女問わず柔らかくわかりやすく話を伝えようとする人の方が多いです。
専門用語だらけで威張る税理士は今でもいますが、もはや絶滅危惧種みたいなものでしょう(もし不幸にもこのような税理士に当たったら即変えることをおススメします)。
たまに女性の税理士をなめている人もいる
たま~に、ごくたま~~にですが、女性の税理士なら
- 脱税や粉飾を見逃してくれるのではないだろうか?
- 怒鳴れば何でも言うことをないだろうか?
- 鋭くツッコまれることはないのではないだろうか?
- 男性より柔軟だからゆる~く処理してくれるのではないだろうか?
などと考えている人もいるようです。
残念ながら、女性だからとなめている人は全くいないわけではありません。
法令順守を一番と考えるのは女性でも男性でも同じです。
(むしろ女性の方が厳しい態度を取るイメージがあります。)
このような人はもはやお客さまではありません。
女性の税理士なら言うことを聞いてくれそうと考えて依頼するのは、的外れな期待です。
女性の税理士にお願いするのが向いているケースとは?
先ほど申し上げたとおり税理士に「優しくて親身」を求めるのであれば、その税理士の性格であり性差で変わるものではないと思います(あと相性も大きいです)。
では、女性の税理士にお願いするのが向いているのはどんな時かというと・・・
女性の税理士にお願いするケースとして多いのは、
- 女性のお客さまで、同性のほうが話がしやすい。
- 女性向けのお仕事をされている男性のお客さまで、女性の意見が聞きたい。
というのがあります。
女性の税理士でなければならない理由がはっきりしています。
あと、私は相続税も扱うため、
旦那さまを亡くされた奥さまがお客さま
であるケースが多いです。
そのような方は今まで税理士と関わったこともなく、男性の税理士だとやり取りに不安を感じるため同性である女性の税理士にお願いしたいというお声を聞きます。
中には知らない男性を家にあげるのはイヤという方もいらっしゃいます。
このような方は、ぜひ女性の税理士にお声がけいただきたいと思います。
まとめ
- 税理士に「優しくて親身」を求めるのであれば、性差ではなく性格と相性の問題。
- 女性の税理士なら何でも言うことを聞いてくれると期待するのは大きな間違い。
- 女性の税理士の方が向いていると思うのは、同性のお客さまや女性向けのお仕事をされているお客さまで「女性がいい」と考えている方。
女性の税理士なら優しくて何でも言うことを聞いてくれそう、などと期待して税理士を探すのは決してお互いのためになりません。