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相続した賃貸アパートの減価償却費はどうやって計算するの?

賃貸アパートやマンション、貸家など他人に貸している建物を相続して引き続き貸していれば、相続した人は不動産所得として所得税の確定申告をする必要があります。

他人に貸している建物の取得価額(建築価額や購入金額のこと)は法律で決められた年数にわたって分割し減価償却費として経費に計上しますが、相続により引き継いだ場合の減価償却のルールを解説します。

目次

そもそも減価償却費はどうやって計算するの?

他人に貸すための建物を建築または購入した場合、その取得価額をその年にいっぺんに経費にすることはできず、法律で決められた使用可能期間である「耐用年数」にわたって分割して経費に計上します。

これを「減価償却」といいます。

減価償却の方法はいくつかありますが、所得税では、税務署に何も届出をしなければ毎年同じ金額を減価償却する「定額法」という方法が採用されます。

平成19年4月1日以降に取得した建物の減価償却は定額法しか採用できません。

また、年の中途から賃貸した建物の減価償却については月数按分します。

したがって建物の減価償却費の計算方法は、

取得価額×定額法の償却率×その年に賃貸していた月数/12ヶ月

になります。

償却率は耐用年数ごとに決められています。

国税庁ホームページ「主な減価償却資産の耐用年数表」

国税庁ホームページ「減価償却資産の償却率等表」

例えば、

  • 今年10月より賃貸した建物
  • 建築価額は8,000万円
  • 軽量鉄骨造 耐用年数19年(定額法の償却率0.053)

であれば減価償却費は

8,000万円×0.053×3ヶ月/12ヶ月=106万円

になります。

相続した賃貸アパートの減価償却費はどうやって計算するの?

では、相続した賃貸アパートなどの減価償却費はどうやって計算するのか。

いろいろなルールがあるので見ていきましょう。

取得価額や未償却残高は亡くなった人の分をそのまま引き継ぐ

相続した建物などの事業用資産は、亡くなった人の取得価額、未償却残高(取得価額のうちまだ減価償却されていない部分)をそのまま引き継いで減価償却費の計算をします。

亡くなった人の減価償却方法は引き継がれない

平成19年4月1日以降に取得した建物の減価償却方法は先述のとおり「定額法」しか採用できません。

しかし、平成19年3月31日以前に取得した建物の減価償却方法は、

  • 何も届出をしなければ「旧定額法」
  • 届出をすれば「旧定率法」

が採用されていました(これらの減価償却方法の詳細は割愛します)。

では、亡くなった人が賃貸アパートについて「旧定率法」を採用しており、この賃貸アパートを2021年に相続した場合の相続人の減価償却方法はどうなるのでしょう?

平成19年4月1日以降に取得した場合の「取得」には、新築や購入だけでなく相続や贈与によるものも含まれます。

2021年に相続した賃貸アパートは「2021年の取得」のため定額法となります。亡くなった人の減価償却方法は引き継ぎません。

相続した年の減価償却する月数はどう考えるの?

年の途中で賃貸を開始したor賃貸をやめた場合の減価償却する月数の計算は、1ヶ月未満の端数があればこれを切り上げるというルールがあります。

例えば10月26日に亡くなった人が賃貸アパートを営んでいた場合、亡くなった人の確定申告(準確定申告)では1月~10月までの10ヶ月分の減価償却費を経費に計上します。

そして相続した相続人の確定申告では、10月~12月までの3ヶ月分の減価償却費を経費に計上します。

亡くなった人と相続人の減価償却した月数の合計が13ヶ月になりますが、これでOKです。

相続した賃貸アパートの減価償却計算例

では、相続した賃貸アパートの相続した年の減価償却の計算例を見ていきましょう。

【例】

  • 2021年10月26日に亡くなった。
  • 亡くなった人は8,000万円で賃貸アパートを建築した。
  • 亡くなった人は「旧定率法」を採用していた。
  • 賃貸アパートは耐用年数19年(定額法の償却率0.053)
  • 未償却残高800万円

相続人は取得価額8,000万円を引き継ぎますが、平成19年4月1日以降の相続のため減価償却方法は「定額法」しか採用できません。

減価償却する月数は10月~12月までの3ヶ月になります。

よって相続人の相続した年の減価償却費は、

8,000万円×0.053×3ヶ月/12ヶ月=106万円

になります。


また、亡くなった人がまだ減価償却していない未償却残高は800万円であり、1円だけ残すというルールがあるので、相続人が今後減価償却費として経費に計上できるのは800万円-1円=7,999,999円になります。

したがって、相続があった年以降の減価償却費は、

1年目:106万円

2年目:8,000万円×0.053=424万円

3年目:424万円>7,999,999万円-(106万円+424万円)=2,699,999円 ∴2,699,999円

となります。

4年目以降、減価償却費がなくなるので税金が一気に高くなります。

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この記事を書いた人

千代田区麹町の税理士。相続税申告、フリーランスや小規模な会社のサポート、執筆などの活動をしています。福島県会津生まれ東京都育ち。       
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