会社を作るのに検討すべきことは?お金をメインに解説します

会社を作る

会社を作ろうか検討する場合、

  • すでに個人事業者としてやっていて、利益が出てきたので法人化するケース
  • これから事業を立ち上げるに際し、最初から法人化するケース

が考えられます。

会社を作るか個人事業者がいいか、会社を作るとしたらどんなことに気を付けるか、お金に関することをメインに検討すべきことを解説していきます。

目次

会社と個人事業主とのお金の違い

会社と個人事業主では、税金や社会保険料の扱いが異なります。

詳しく見ていきましょう。

税金の違い

会社の税金

会社にかかる税金は次のとおりです。

会社にかかる税金

  • 法人税
  • 法人事業税
  • 法人住民税

会社の場合、所得に対する法人税+事業税+住民税の税率は高くても30%くらいです(資本金1億円超を除く)。

ただし、赤字であっても法人住民税の均等割7万円が必ずかかります。

また、給与に対しては所得税等がかかりますが、給与所得控除(給与のうち一定の金額を引ける制度)を使うことができます。

個人事業主の税金

個人事業主にかかる税金は次のとおりです。

個人事業主にかかる税金

  • 所得税
  • 個人住民税
  • 個人事業税

個人事業者の場合、所得税は累進課税制度といって所得が多ければ多いほど税率があがり、最高税率は住民税と合わせて55%にもなります。

ただし、赤字の場合税金はかかりません。

社会保険料の違い

会社の社会保険

会社の場合、働いているのが社長1人であっても社会保険に入らなければなりません。

社会保険料の料率は給与の約30%であり、会社で半分、個人で半分負担します。

ひとり会社では実質社長1人がすべて負担することになり、個人事業主よりも負担が重くなります。

従業員がいれば、会社が給与の約15%の社会保険料を負担し、残りの約15%は給与から天引きします。

しかし従業員を雇うのであれば、社会保険に加入していることはプラスに働くでしょう。

個人事業主の社会保険

個人事業者であれば、社会保険に加入する義務が生じるのは従業員5人以上です(個人事業主本人は加入できない)。

したがって個人事業主本人は国民健康保険・国民年金を納めればよく、会社に比べて社会保険の負担が少なくなります。

また従業員がいる場合、5人未満であれば社会保険への加入は任意であるため、個人事業主は従業員の社会保険料を負担せずに済みます。

信用度の問題

お金とは関係ありませんが、会社と個人では信用度が大きく異なります。

会社の方が信用度が高く、取引もしやすいでしょう。

中には会社でなければ取引しないところもあります。

会社を作ると決めたら検討すべき「資本金」と「事業年度」

「会社を作る」と決めたら、次に決めるべき主な内容です。

会社の設立に際して決める主なこと

  • 商号(会社名)
  • 本店所在地
  • 会社の目的(どんな事業をするのか)
  • 資本金の額
  • 代表取締役、取締役(役員)を誰にするか
  • 事業年度

このうち、お金にかかわる「資本金の額」と「事業年度」について解説します。

資本金の額

資本金とは、会社設立の際に元手となる金額です。

少なすぎる資本金はおススメしない

今は資本金1円から会社設立ができますが、あまりにも少ない資本金はやめたほうがいいでしょう。

なぜなら、会社を設立すると設備投資やランニングコストといった出費がありますが、資本金が1円しかなければ会社は社長からお金を借りて支払いをしなければなりません。

借入金は負債になりますので、会社は債務超過(資産よりも負債が多い状態)からのスタートになってしまいます。

資本金が少なすぎると会社としての信用がなく、会社で預金口座を作ったり、金融機関から借り入れたりすることが難しくなります。

資本金1,000万円以上だと1期目から消費税の納税が生じる

逆に資本金1,000万円以上も避けたほうがいいです。

消費税の納税の問題が出てくるからです。

消費税は設立から原則2期は免税になりますが、資本金1,000万円以上の会社は「それだけお金があれば設立時から消費税を納めるだけの力があるよね」ということで、1期目から消費税が課されてしまいます。

事業年度

会社は、1年を超えない範囲で期間を区切ってその期間内にどれだけの利益を得たかを計算し、税金を計算しなければなりません。

この期間を「事業年度」といい、事業年度の最後の月を「決算月」といいます。

事業年度は1年間 、事業年度開始は月初・終了は月末がおススメ

事業年度は1年を超えなければ何ヶ月でもいいのですが、できれば期間は1年間、事業年度開始は月初・終了は月末がいいでしょう。

1月1日~12月31日、4月1日~3月31日など、わかりやすく区切るのがおススメです。

たまに、例えば3月20日が事業年度終了という会社もありますが、経理処理、決算作業がめんどくさくなるだけです。

繁忙期を決算月にするのは避けるべき

繁忙期を決算月とするのは避けたほうがいいでしょう。

なぜなら、節税対策が難しくなるからです。

節税対策は、決算月の数ヶ月前からある程度税額を予測した上で検討します。

決算月が繁忙期であれば、税額の予測が立てにくく、せっかく対策しても水の泡となる可能性があるからです。

消費税の免税期間を最長にするには

資本金が1,000万円未満の会社の消費税は、原則として設立から2期は免税になります。

1期目をできるだけ長い期間、すなわち1年間にすれば消費税の免税期間は最長になります。

ただし、設立時から課税売上高及び給与等の金額が1,000万円を超えると見込まれる場合は、特定期間による納税義務の判定に引っかからないよう1期目を7ヶ月以下とすることをおススメします。

まとめ

今は会社設立のハードルが低くなり、手軽に設立できるようになりました。

ユニークなスタートアップ企業がメディアで取り沙汰されることも多く、「自分も会社を作りたい!」と思ってる人もいっぱいいらっしゃるでしょう。

しかし安易に会社設立すると、「やっぱり失敗した!」といって個人成りを検討することも少なくありません。

お金の面(特に社会保険料)で行き詰ってしまうことが多いのです。

その事業を会社でやるのが本当にふさわしいかどうか長い目で見て検討し、その上でどうしても会社で事業をしたいという強い気持ちが揺るがないのであれば設立に着手することをおススメします。

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