
相続税を自分で申告したい
税理士にお願いすると何十万円~何百万円とかかるので、できれば自分で申告したいという人もいらっしゃるでしょう。
しかし相続税の申告は、所得税の確定申告とは比べ物にならないほど必要書類が多く、計算も複雑です。
相続税の申告を税理士にお願いする人は86.5%(財務省「令和6事務年度国税庁実績評価書」)と非常に高いです。
相続税の申告に関しては、ほとんどの人が税理士にお願いしています。
相続税を自分で申告するには、どんなハードルがあるかお伝えします。
集める資料が多くてわかりづらい
まず、資料を集めるところからつまづく可能性が高いです。
相続税で必要な資料は、大きく
- 亡くなった人と相続人に関する書類
- 亡くなった人が持っていた財産に関する書類
の2つがあります。
資料を請求する場所も法務局、市区町村、銀行、証券会社…とさまざまです。



ネットの情報でわかるんじゃない?
と思うかもしれませんが、ネットの情報はあくまで一般的なもの。
ウチの相続で必要かどうかまではわかりません。
逆に、ネットには載っていないけどウチの相続では必要な書類もあるかもしれません。
財産の探すのが難しい
亡くなった人が財産のメモを残していなければ、家族が財産を探さなければなりません。
通帳、郵便物、メールなどを確認して財産を探します。
相続税の対象になる財産のなかには、目に見えない権利や他人名義だけど実質亡くなった人の財産…といった「これが財産になるの?」というものもあります。
これらを漏れなく探すのは、専門家の手を借りないと難しいでしょう。
財産の評価が難しい
相続税の計算をするには、財産を評価する必要があります。
現金や預金は亡くなった日の残高をそのまま相続税の申告書に載せますが、それ以外の財産(不動産、株式、自動車、貴金属などあらゆるもの)については1つ1つ財産の評価方法を調べなければなりません。
特に不動産は評価が複雑です。
真四角でない土地などは、大きく減額できます。
減額ポイントに気づかないと、税理士報酬よりも高い相続税を払うことになり、かえって損するかもしれません。
遺産分割が難しい
遺言書がない場合、相続人の話し合いで遺産の分け方を決めます(遺産分割)。
分け方が決まったら「遺産分割協議書」を作り、申告書と一緒に税務署に提出します。
専門家を入れずに分割すると、不動産を共有したり、相続税が高くなってしまう分け方をしたりして、後々困ることになるかもしれません。
申告書の書き方が難しい
相続税の申告では、
- 相続税申告書
- 評価明細書
を税務署に提出します。
これらの書き方は複雑で、本やネットで調べて手書きするのは至難の業です。
特例の計算をカン違いしているかも
相続税を大きく減らせる特例は、
- 小規模宅地等の特例
- 配偶者の税額軽減
の2つです。
これらを使って相続税がゼロになる場合でも、相続税の申告は必要です。
また、特例の要件や計算方法をカン違いしていることもあります。
例えばこちらの記事は、「配偶者の税額軽減」の計算方法で実際にあったカン違いについての記事です↓↓


これらの特例についてカン違いして申告してしまうと、税務調査で多額の税金が課されてしまいます。
「わからなければ税務署に相談」は期待できない



わからなければ、税務署に聞けばいいんじゃない?
しかし税務署に「相続税の申告書の書き方がわからないからイチから教えて」と言っても、「税理士に依頼してください」と返されるだけです(実際に聞いた話です)。
「評価のここがわからない」などのピンポイントの質問でなければ、税務署も答えようがありません。
税務署の助けは期待しないほうがいいでしょう。
***
相続税の申告期限は10ヶ月。
以前から相続税を勉強したという人でもない限り、期限内に自分でやるのは正直難しいと思います。



やってみたけど、やっぱりムリそう…
そう思ったら、早めに税理士にご相談ください。
ギリギリになると、追加料金が発生したり、場合によってはお断りされたりすることもあります。









