20代、30代のころは、仕事をがんばったご褒美にモノを買うことが多かったです。
職場がデパートに近かったので、仕事帰りに洋服をたくさん買うのが楽しみでした。
頻繁に通ったので、店員さんに顔を覚えられたことも。
けれど40代に入ってからは、モノを増やすことにあまり意味を感じなくなりました。
それよりも、非日常の景色を見に行ったり、学びの場に行ったりするほうが、自分の中に何かが残る気がします。
お金の使い方が変わると、考え方も少しずつ変わります。
「どんな経験にお金を使うか」は、「どんな人生を生きたいか」に直結すると思います。
これは、フリーランスという働き方にも深くつながるのではないでしょうか。
欲しいモノが減って、「本当に必要なもの」が見えてきた
フリーランスとして仕事をしていると、時間やお金の使い方を自分で決める自由があります。
だからこそ、何に投資するかがとても重要です。
私が今お金を使っているのは、40代から趣味になった登山です。
ハマったきっかけは、中央アルプスの「木曽駒ケ岳」に登ったこと。
初めて3,000m近い山頂に立ち、これまで見たことがない景色を見て、その迫力にゾッとしました。
もっとも2,600mまでロープウェイで行けるので、自分の足で歩く距離と標高差は大したことないのですが、それでも自分の力でここに立っていることが信じられませんでした。
よく「自然の中で自分はちっぽけな存在」といいますが、
360度山に囲まれ雲が立ち込める世界に立つと、
自分の悩みなんて本当にちっぽけだと感じます。
人生ももう折り返し地点、
後悔しないよう「見たことない景色を、自分の足で歩いて見てみたい」
そんな気持ちが強くなりました。
またこの景色に出会うため、毎日体を鍛えるようになりました。
モノは買えば終わりですが、経験はその後の行動を変えます。
それが、40代になって一番大きく感じる変化です。

経験にお金を使うと、仕事の質も変わる
フリーランスの仕事は、「自分」が商品です。
どんな考えを持っていて、どんな経験をしてきたかが、仕事の深みになります。
たとえば、旅先で出会った人との会話や、セミナーで気づいたことが、仕事に生かされることがあります。
まったく仕事とは関係なさそうな体験が、結果的に仕事の説得力を高めることもあります。
先日も、「世界60カ国をめぐった中小企業診断士」の女性のセミナーに出かけました。
彼女のブログを見てぜひお会いしたくて参加したのですが、
そのパワーと行動力に触れ、生き方を考えるヒントをもらえました。
経験にお金を使うことは、仕事の幅を広げることでもあります。
逆に、経験を減らしてしまうと、新しい発想や表現が出てこなくなる。
「最近なんだか行き詰まっているな」と感じるときは、少し違う場所に行って、違う空気を吸うだけで、頭がクリアになります。
フリーランスは自分が資本。
だからこそ、経験にお金を使うことは「未来への投資」だと思います。
自分を満たすお金の使い方を
「経験にお金を使う」ことは、余裕がなければできないというものではありません。
限られたお金と時間をどう使うかの「選択」です。
たとえば、洋服を買う代わりに、旅の費用に回す。
外食を減らして、その分を学びに費やす。
そうやって小さな選択を積み重ねることで、「経験のストック」が増えていきます。
フリーランスとして働いていると、仕事もプライベートも境目があいまいになります。
仕事のために学ぶことが、自分の楽しみにもなる。
プライベートの出来事が、仕事のアイデアになる。
そんなふうに生きられるのが、この働き方の魅力だと思います。
だからこそ、「自分を満たすためにお金を使う」ことは、人生を豊かにするためにも、良い仕事をするためにも必要なことです。
40代は、これまでの経験をどう生かすかが問われる時期です。
だからこそ、新しい経験を止めてしまうのはもったいない。
買ったモノはいつか手放すけれど、経験は自分の中に残り続けます。
経験は、「自分らしく生きる」ための原動力になります。


 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			