営業時間:9時~18時【土日祝休み】

相続税・贈与税・所得税など個人の税金を得意とする

相続において大切なものは何かを考えさせられる 「資産税コンサル、一生道半ば」本郷尚著 

 
書籍の写真
この記事を書いている人 - WRITER -
本間会津子
福島県会津生まれ、東京都練馬区育ちの税理士 本間会津子です。 同じことを何度聞いていただいても大丈夫、笑顔でお答えします。          ★お願い★ 当ブログはわかりやすくお伝えすることを目指しております。実際は細かい要件等がございます。最終判断は専門家にご相談ください。
詳しいプロフィールはこちら

資産税(相続税、事業承継など、資産を扱う税金)に特化している株式会社タクトコンサルティングの会長である本郷尚先生の新刊「資産税コンサル、一生道半ば」を読みました。

本郷先生と言えば、資産税に携わる税理士であれば誰でも知っているであろう、資産税の第一人者です。

この本は、本郷先生が資産税コンサルとしてのご自身の半生を振り返るものです。

修業時代から現在まで、実務においてどんな風に考え、どんな行動をし、どんな冷や汗をかいたか・・・

タクトコンサルティング設立から40年経っても「一生道半ば」である、というタイトルです。

夢中であっという間に読み終わりました。

その中で特に心に残った2つをご紹介いたします。

 

家族のために節税よりも大事なこと

税理士は「税」の専門家です。

そして、依頼される方も「節税」を期待していることが多いのも事実です。

でも、「節税」だけにとらわれて遺産を分けたところで、本当に残された家族は幸せになるのでしょうか?

 

本の中でとてもハッとさせられた一説をご紹介いたします。

ちょっと長いですが・・・

家族のために節税よりも大事なこと

いまや100歳だって珍しくはない時代にあっては、夫に先立たれた妻の相続後の生活保障という意味もあります。(中略)(妻がすべての財産を相続して)子どもの相続財産はゼロになることすらあります。

このようなことを言うと税理士からは「二次相続のことを考えれば、一次相続時に子どもに相続させることで税金が有利になる」という意見が必ず出てきます。実は、私もそうした提案をしてきたことが何度かありました。しかしあるとき、顧客のひとりからあっさり言われたのです。

「いいんですよ、子どもの税金なんて。妻の死後に財産が残っていたら、そのときは自分らで払えばいいんだから。それより、妻は長生きするかもしれないし、そうあってほしいと思う。子どもらの税金の心配なんかより、妻がしっかり財産を持っていることが大事なんだよ」

衝撃でした。税金対策を振りかざした自分が恥ずかしくなるくらい、奥様に対する揺るぎない愛情と深い感謝に裏打ちされた、強くあたたかい言葉でした。

相続に携わる税理士は節税にとらわれず、すべからく家族の真の幸せに思いを寄せなければならないのです。

一次相続と二次相続とは、簡単に言えばこんな話です。

家族構成が夫婦と子どもの場合

一次相続(夫が亡くなった時)と二次相続(妻が亡くなった時)のトータルの相続税を考えると

一次相続で妻の遺産の取り分を少なくして子どもに多めに残した方が税金が安くなる、ということ

一次相続と二次相続の詳しいお話を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓

 

税理士は遺産を分けるときのアドバイスとして、必ず一次相続と二次相続の話をします。

提案としては、お話すべき事項でしょう。

でも、それだけを振りかざして「こうすべき」などと提案するのが果たしていいことなのか?

しかし、税金にばかりとらわれず、残された人の幸せを考えた分け方をする。

それが一番ハッピーな考え方ではないでしょうか。

 

以前、私もよく似たケースに出会ったことがあります。

その時、先輩税理士と「もっと子どもがもらえばいいのに、もったいないよね」と話していたのをふと思い出しました。

税理士って本当に税金に凝り固まっているんだな、と思わず苦笑してしまいます。

同時に、本郷先生も同じような思いをされたことがあるということに、ちょっと嬉しく感じました。

 

実行なくして成功なし。まずはバッターボックスに立て

40年前は資産税を専門として扱っている人もいなく、資産税専門と看板を掲げるまでに紆余曲折されています。

先生は現場に飛び込み、そこで得た感覚を大切にしていらっしゃることが随所に書かれています。

 

相続は法律や通達だけでは片づけられないことだらけです。

例えば土地の評価。

教科書通りのきれいな形の土地のほうが珍しいです。

この土地は果たして建物が建てられるのかなど、税法とは別の法律の知識が必要になります。

場合によっては不動産鑑定士に鑑定を依頼します。

教科書通りの評価をすると時価よりだいぶ高くなるため、時価を出してもらい、それで申告をするためです。

 

人の問題となるともっと複雑です。

揉めていないご家族であっても、何度も話し合いをしながら分け方を提案し、皆さんのご納得のいくようにするには大変な作業です。

こういうところはAIにはとって代われないでしょう。

 

資産税という分野は、実際にやってみないとわからないことが多いです。

現場に行き、自分の目で確かめる必要があります。

やってみるたびに、思いがけないことに出くわします。

それを解決するためには、他の専門家の知恵をお借りすることも多々あります。

 

本郷先生の経験を読むと、「ほんものの」専門家になることがなんと難しいかを実感します。

 

最後に

私の拙い言葉では到底語りつくせない、40年間の貴重な経験が詰まったとても素晴らしい本です。

本の中に「資産税の仕事は人脈が命」とあり、同じ価値観で繋がれた専門家との対談が掲載されています。

この対談が、専門家同士の絆と哲学を物語ります。

税理士のみならず、相続や事業承継に携わる方は、ぜひ一度お読みいただくことをお勧めいたします。

 

追記

驚いたことに、ブログでの書籍紹介に対し本郷先生よりお礼のお手紙をいただきました!

他のブログ記事までお読みいただいたとのこと、こちらこそありがとうございます。

本郷先生からのお手紙の写真

サービスメニュー
 icon-chevron-circle-right  相続税・贈与税の申告
 icon-chevron-circle-right  相続税の試算・相続税対策
 icon-chevron-circle-right  個人事業主の税金の申告
 icon-chevron-circle-right  法人の税金の申告
 icon-chevron-circle-right  単発のコンサルティング
 

 

 
 
この記事を書いている人 - WRITER -
本間会津子
福島県会津生まれ、東京都練馬区育ちの税理士 本間会津子です。 同じことを何度聞いていただいても大丈夫、笑顔でお答えします。          ★お願い★ 当ブログはわかりやすくお伝えすることを目指しております。実際は細かい要件等がございます。最終判断は専門家にご相談ください。
詳しいプロフィールはこちら

Copyright© 麹町の本間会津子税理士事務所 , 2018 All Rights Reserved.